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毎日が短い

すぐ終わる一日

ケータイを落としてはいけない

特別お題「おもいでのケータイ」

 今までガラケーを5台、スマホを3台と変えてきた私だが、一番思い出があるケータイはなんだろうと考えるとある一台のガラケーだろう。

 このガラケーは大学生の頃に使っていた。ちょうど就活の時期に使っていて、ある合同企業説明会にもそのケータイを所持していた。2度目の合同企業説明会の時だったと思う。いつものように気になる企業の説明を聞いて会場をあとにして、疲労困憊ながらも電車に乗って家に帰ろうとしていた。終点で乗り換えるので安心して寝ていた。そうして終点に到着して、私はうとうとしながら電車を降りた。乗り換える電車のホームまでぼーっとしながら歩き、ぼーっと立ちながら電車を待っていた。そして電車が来たから乗り込んだ。そうしてふーっと一息ついてケータイを見ようとポケットに手を当てた。

 しかし、そこにケータイはなかった。違うポケットに入れたのかとスーツのポケットを手当たり次第触ってみるが入っている感触はない。カバンに入れることはほぼないけれど一応確認した。けれどやはりケータイはないのである。

 ケータイを落とした。最初に乗っていた電車でケータイを触っていたのは記憶している。触りながら寝落ちしたことも覚えている。だから、きっとあの電車の中だ。しかしすでに乗り換えていて戻るのにも時間がかかる。誰かが拾ってくれた可能性もある。とりあえず電話してみよう。そう思って電車を降りた。

 当時は何を思ったのかガラケー二台持ちをしていたので、もう一つのケータイで電話をしてみた。しかし誰も出ない。というより電源が落ちているようだった。不安が襲う。いろいろなデータが入っているし悪用されるのではないかと心配事が浮かぶ。

 とにかくケータイをロックしてもらおうと近くの携帯ショップに相談に行こうと考えた。しかし時は夜の9時過ぎ。携帯ショップは閉まっていた。困った。とにかく困った。

 よし、とりあえず落ち着くために家が近いし一旦家に帰ろう。そうして家に帰った。帰ってからパソコンで落とした時の対処法を検索した。電車で落とした場合、駅に落とし物として届いている場合があると書いてあった。善は急げとまた電車に乗って、落としたと思われる線路の駅まで行って駅員に聞いてみた。しかし落とし物の届け出はなかった。一応機種を伝えて家に帰ったが、翌日もその翌日も連絡はなかった。どこへ行ってしまったのか。あのケータイには大学時代の思い出がたくさん詰まっていた。好きな人とのメールや、サークルの合宿写真、大学時代の思い出のすべてが入っていた。すべてを無くして悲しみに暮れたと同時に、なんで私は就活でケータイを落とすほど疲れているのだろうと思ってしまった。

 今までいくつかのガラケーを使ってきたけれど、一番好きなデザインだった。だから紛失届を携帯ショップに出して同じ機種を手に入れた。その2代目ケータイはスマホと2台持ちで一昨年まで現役だった。本当にお疲れ様である。

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